学習法・勉強法

記憶力を高める勉強法

インプットの方法を複数取り入れる

同じ本を何度も読むとすらすらと読むことができるようになり、わかった気になりがちです。しかし、これは流暢性の錯覚と呼ばれ、実際にはほとんど記憶に残りません。少しずつ読んでは考え時間をかける方が学習効果は高いと言われています。
では、どのようにすれば効果があるのかというと、まず情報は一つのインプットよりも複数のインプットの方法で行う方が覚えやすくなります。例えば、英単語を覚えるときでも、書いて覚える、文章の中では読みながら覚える、発音を音声で聞いて覚えるなど入ってくる刺激が違うと脳のそれぞれ違う領域が反応します。なるべく脳の広範囲に刺激を与える方が能は活性化し暗記がしやすくなります。複数のテキストを同時期に読むと良いと言われることがありますが、できれば違う分野のテキストを数冊読む方が記憶の干渉が起こりにくいと言われています。
また、今日は英語、明日は数学など、一日中同じ教科を勉強するよりも一日で複数の教科を勉強する方が記憶が定着します。毎日少しずつ複数の教科を勉強する方が脳への刺激が多く、長期的に記憶が残りやすくなります。

一人きりで勉強するよりも周りに誰かいたほうが良い

一人で勉強するよりも誰かと一緒に勉強する方が長期記憶の定着に役立ちます。人間の能は、周りに他の人がいると敏感に反応します。例えば、美術館で一人で絵を鑑賞したり映画を一人で観るよりも何人かで観たときの方が感動が大きくなります。その時、会話などのコミュニケーションがなくとも、同じ経験を共有するだけで感情が増幅します。これと同様に、一人で単語リストを見るよりも二人で見る方が約二倍も単語を思い出せるという実験結果があります。誰かと共有したものは記憶に残りやすいということです。
さらに、リビングや図書館での勉強は脳科学的に見た場合、静まり返った場所よりも効果的です。気が散るほど騒がしい場合は別ですが無音状態だと逆に集中的が落ちることもネズミの実験で明らかになっています。

記憶は覚えるよりも思い出すことで定着する

エビングハウスの実験によると、人は覚えたことを20分後に42%、1時間後に56%、1か月後に79%忘れることが示されています。脳に記憶が溜まり過ぎると、必要な情報を引き出すことが困難になります。そこで、脳は本当に必要な情報だけを大脳皮質に送って長期記憶として保存します。
記憶を長期保存させるためには、海馬の働きを知ることが大切です。海馬は、生きるために必要な情報を優先して記憶しようとします。生命に直接関係のない英単語や数学の公式を覚えるためには同じ情報を送り続けて、海馬が生きるために必要な情報だと誤認識させる必要があります。何度も復習し続けることが最も効果が高い学習法です。
最新の研究によると、復習に最適なタイミングは勉強をした翌日、その三日後、さらにその一週間後、さらにその三週間後、その30日後、その45日後、その60日後という周期だそうです。

インプットよりもアウトプット

復習をするときはインプットを繰り返すよりもアウトプットをする方が効果があります。ある実験によると、2つのグループに英単語を40個ずつ覚えさせてその翌日に片方のグループには同じ英単語をもう一度見せ、もう片方には英単語を見せずに思い出してもらうというテストをした結果、単語を見ずに思い出したグループの方が30%ほどスコアが高くなりました。英単語を見直すインプットよりもアウトプットの方が記憶の定着率が高いことがわかりました。
思い出す以外に効果的な誤りの方法は声に出して読むことです。これにより聴覚野が刺激されます。通学中に英語のテキストを黙読したり、英語をイヤホンで聞いたりする人は自分で発音したものを録音して聞くと効果的です。
また、手を使って書き写す出力も言語野を刺激します。分厚いテキストをひたすら読むよりも問題集をたくさん解く方が記憶定着に有効です。

寝る前の1-2時間は記憶のゴールデンタイム

ある実験によると、勉強直後のテストよりも、勉強をしたあとに睡眠をとり、翌日にテストをする方が約成績が上がりました。朝の学習は日中の色々な経験によって記憶が上書きされるの英単語の暗記などには不向きです。ただし、学生を対象にした研究データでも成績が上位である人は午前0時前には勉強を終えているので睡眠時間を削ってまでの学習は避けましょう。夜にぐっすり眠れなくても、静かな部屋で目を閉じるだけで睡眠と同じ効果があり、海馬で情報の再生が始まります。眠れなくてもスマートフォンやテレビを見ると情報が送られ続けるため、不必要な脳への情報は遮断し、脳に記憶を整理する時間を与えましょう。

脳は未解決の問題や間違った問題を記憶しやすい

一つの単元を完璧に理解してから次の単元に進むよりも、途中で進む方が脳科学的には効果的です。例えば、英単語の暗記に何時間もかけるよりも数十個の単語を覚えたら途中で数学などの違う科目や、同じ英語学習でも文法問題の学習をするなど他の学習をしてからまた英単語の暗記に戻る方が効果があります。

勉強に最適な時間帯

人間の体には24時間サイクルで生体リズムがあります。体の動きに合わせて勉強することで学習効率を高めることができます。人間のすべての細胞には時計遺伝子が存在し生体リズムのもとになるリズムを刻んでいます。生体リズムは起床時にセットされるので必ず毎日決まった時間に起きることが大切です。起床4時間後と起床11時間後に脳の活動がピークを迎えます。この二つの時間帯は最も勉強に集中することができます。その間に一度脳の活動が低下する時間帯がありますがそこでは計画仮眠を取って脳に休息を与えると効率がよくなります。
夕食後は勉強には向きませんが、記憶の定着効率が高い就寝1時間前には暗記学習に適しています。

目覚めたらすぐに勉強をする
前日に学習した内容を脳に定着させるためには、朝一番に勉強することが効率的です。脳は、起きているときに集めた情報の中で重要だと判断したものを睡眠中に整理して記憶する働きがあります。就寝前の暗記学習が効果的なのは前述の通りですが、その記憶はまだイチジテキナものなので新たな情報が入ってきたり、必要がないと判断された場合は忘れてしまいます。それを防ぐためには何度もその記憶を呼び覚ますことにより脳に必要な情報であると認識させる必要があります。そのために、朝起きたときの学習が大切です。まだ新しい情報が入ってきていないうちに前日の暗記学習をして復習することで記憶を定着させることができます。
朝目覚めるととりあえずテレビをつけてニュースを見たり、スマートフォンチェックしたりしていまいがちですが、その前にまず勉強に手をつけるという習慣をつけることが大切です。その際、長時間学習する必要はありません。前日の確認程度で十分です。

午前中に取り組む勉強

脳のエネルギーは、なにもしなくても時間が経つと消費されてしまいます。日光を浴びて覚醒した脳の働きは起きてか少しずつ高まっていき、4時間後に一日の最初のピークを迎えます。この時間帯には、脳のパフォーマンスが最大になり、決断力や記憶力が高まります。一番効率よく勉強できる時間帯には脳に負荷をかける苦手分野や新しい分野の学習に取り組むと良いでしょう。英語学習でいうと、理解をすることが大切な文法の勉強は午前中に、英単語や英熟語の暗記は寝る前と起床直後が良いと言うことになります。

計画的に仮眠を取って学習効果を高めましょう。

睡眠覚醒リズムというものがあって、朝起きてから8時間後と22時間後にノウナイニ睡眠物質が貯まって眠くなる時間帯が訪れます。7時に起きた場合は15時と次の日の5時になります。
6分から15分の仮眠は脳にたまった睡眠物質が分解されその後の作業効率が上がることが科学的に証明されています。6分未満の睡眠でも睡眠物質は分解されませんがスッキリするのでそれでも十分です。30分以上眠ってしまうと深い睡眠に入ってしまうため夜の睡眠の妨げになるので注意が必要です。

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